JLPTについてー採点方法・尺度得点編
先の目的編でJLPTではなにを図るのか、とても簡単にまとめました。
もう1つ、セミナーで聞いた尺度得点について。
細かいことはJLPTのウェブサイトにも掲載されていますが、かなり難しく表記されているので、
ざっくり中のざっくりをまとめました。→本物はこちら。
(そういえば検定の勉強で素点がどうとかやった気がしますが、採点方法の章は完全に捨ててましたのでほとんど覚えていません)
尺度得点とは?
通常のテストでは正答数×点数=得点→合否判定です。
こんなかんじ。
JLPTの尺度得点はItem Rreponse Theoryといって、TOEFLなどでも採用されています。
このIRTでは正答数ではなく、どの問題に正解したか、で得点が決まります。
さっきの3人の得点をくわしく見てみましょう。
正答数の内訳
ここではざっくりわかりやすく「簡単な問題」「普通の問題」「難しい問題」としていますが、実際は統計から導かれるもので単純な難易度ではありません。
通常の採点では1番のアーカーさんです。
彼は簡単な問題と普通の問題に多く正解していますが、難しい問題はあまり正解していません。
この場合尺度得点で採点すると、アーカーさんは通常採点より得点が低く判定されます。
ミラーさんは簡単な問題と難しい問題と多く正解しています。
この場合の得点は通常採点より高く判定される可能性があります。
最後のゾマトさんですが、正答数は一番低いです。ですが彼は難しい問題の正答数が一番多いです。この場合、逆転までは及ばなくても得点は二人に追いつくかもしれません。
その結果
このように、正答数が2番目だったミラーさんの得点が一番高くなり、ゾマトさんの得点も正答数ほどの差がなくなりました。
つまり、簡単な問題をたくさん正解してもあまり得点が伸びないことがあるのです。
反対に正答数が少なくても難しい問題に正解が多くあれば得点は伸びることがあります。
たまに1問正解していて得点がゼロ、1問不正解があるのに得点が100など不思議なことがあるようですが、これは尺度得点により判定されているからなのです。
どの問題がハイスコア?
当然セミナーでも出た質問です(笑)
セミナーの先生も「これがわかれば神です」とおっしゃっていました。
なぜならどの問題がハイスコアなのかはJLPTが終わってから、受験者の回答パターンを統計化、そこから作れる数理モデルによって判定がされるのです(ざっくり)。
みんながテストを受けてからでないと、わからないのです。
ですが先生から一言。
「問題作りのセオリーとして、問題が進むにつれて簡単から難しくなっていくように作っています。これは最後まで問題とといてほしいからです」と。
得意な問題で点を稼ぐとか、そういったことでは合格できないようになっているんですね。
せっかくなので私も質問しました。
よく学生が「あと2点で合格でした」と言っているけど、これは単純にあと2点の問題を1問正解すれば合格とか、そういうものではないってことでいいですか?
先生のお答え「それはもう尺度得点ではまったくわかりません」。
ですからあと1点2点だった学生には
「そういうもんじゃないからあと20点とるつもりでがんばれ」と言おうと思います:)
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